2020年もそろそろ終わりますね。翻訳に関する投稿は久しぶりです。
フリーランスからサラリーマンに戻った今年も、細々と、いやコソコソと翻訳者として活動を続けていました。
ちゃんと本業に集中しようと思っていましたが、コロナのせいで会社の仕事量も減ったようで、新人の私は全く忙しくなることはなく。
また、在宅勤務に切り換ったおかげで時間と体力にも余裕ができたので、引き続き翻訳チームの一員として、あるプロジェクトへの参加を続けています。
さて、今回伝えたいのは「翻訳者といえども仕事では日本語でのコミュニケーションがいい」ということ。これ、そこそこ英語ができる人間にとっては(プライドもあるし?)割とスルーしがちなトピックだと思います。
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翻訳初心者には日本語でコミュニケーションできる仕事がおすすめ
私が参加している翻訳プロジェクトは、英語で書かれたウェブコンテンツの翻訳をするもの。このメディアを運営しているのはアメリカの会社で、スタイルガイドやマニュアルは全て英語で作られています。
でも実際のところ、スタイルガイドや重要な点はポイントを絞ってですが、別途日本語で作成されたものがあります。
これが何を意味しているのかというと、
ということです。
そもそもスタイルガイドって何十ページとかあることが多くめちゃくちゃボリューミーなので、大事な部分がよく分からないんです。聞いても「全部大事!」って言われそうで、聞けないというのが本音。
でも、実際できあがった翻訳に抜けが散見されて困っているのは校正者さんたち。「スタイルガイドを徹底してください」と、プロジェクトマネージャーがどれだけ声をあげても、結局スタイルの統一にはなかなか至らないようです。
だから、上述のような「日本語で作成されたガイド」が存在するんですよね。
日本語で育った翻訳者には、やっぱり日本語が目に入りやすいし、理解もしやすいと思います。
ってことで、Win-Win-Winです。
そのため、翻訳初心者として仕事を始める際は、
- 日本語のスタイルガイドがある
- 日本語で質問ができる環境にある
という条件のお仕事をおすすめします。初めてのお仕事は緊張しますし、よく分からないことも必ず出てくるので日本語環境があると気が楽ですよ。
日本語環境にない仕事の場合
逆に、海外の会社との取引で英語だけのやり取りになる場合はこう↓
これは翻訳ビギナーにとってはすごく悩ましいものです。
翻訳者は基本的にひとりで仕事をしているので、誰かに相談することも難しい。何とか対処して納品し、校正まで完了しても、「あの翻訳は正しかったの?校正者さん、ちゃんと見てくれてる?ねぇ」と不安になるんですよね…
翻訳者として、対処方法を一任されるのはありがたいことでもありますが、ビギナーのうちは恐怖でしかない…。変な対処をしてしまって、あとから問題になったらどうしよう、と気が気でない時間を過ごすハメになります。(でもそのうち忘れます)
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まとめ
不安要素を取り除いてスッキリとお仕事をするために、
これから翻訳の仕事を始めようという方の参考になれば幸いです!
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ちなみに…
今勤めている外資系の会社でも「日本語でのコミュニケーションが大事」という件がありました。
この会社には、複数の外国人が在籍しています。今年の夏ごろ、新しいプロジェクト管理システムが導入されました。導入チームは外国人メンバーのみ。
自信満々で導入されたこのシステム、ふたを開けてみると最悪のツールでした。導入して半年が経った今もシステムのよく使い方が分からないのです。
使い方が分からなすぎて、とうとう「使い方のトレーニング」の時間が設けられました。この時、導入チームの外国人に対して所属部署のマネージャーが言ったのは
「トレーニングは日本語で行ってください」
でした。誤解なく理解できるように、と。
日本人社員は皆英語ができるので、普段から英語のミーティングも行われています。しかしこの時に限っては、「日本語で」との依頼。
結局、システム導入チームの外国人が奮闘しながら日本語でトレーニングをしてくれました。
(それでもシステムの使い方はやっぱりよく分からなかったので、このシステムはポンコツです)
やっぱり「日本人には日本語でのコミュニケーションが大事」なんです。
以上。それではまたー!