通勤時間、人間関係のストレスなし。自分の好きな時間に仕事ができる。大好きな英語に関われる。
在宅翻訳っていいことばかりに見えるけど、実際どうなの?
この疑問に対する答えはズバリ、「実際は想像より大変です」。大変すぎて私は専業翻訳者を続けられませんでした。
この記事では、在宅翻訳で困難を感じるポイントを紹介しています。
翻訳者を目指しているひとには、ぜひ知ってもらいたいです。
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在宅翻訳は孤独との戦い
煩わしい人間関係がないのは事実ですが、在宅の仕事は想像以上に孤独です。
孤独に耐えられますか?
私は昔から人間関係が苦手です。人が多い場所も好きではありません。
だから、1人で黙々と取り組める在宅翻訳の仕事は、自分の性質に合っていると思いました。
翻訳の仕事を始めてから1年弱は、フルタイムの仕事と兼業で在宅翻訳をしていて、1人で仕事が進められる感覚を楽しんでいました。これならできそうだと思いました。
でも、いざ専業になってみると、人に会いたい!話をしたい!と渇望するようになったのです。
誰にも会わずにパソコンに向かい続けるって、想像以上に孤独なことでした。
新しい世界が広がらない
孤独なことのほかに怖くなったのが、世界が広がらないことでした。
当たり前ですが、誰とも会わず会話をしなければ、新しい友人もできなければ新しい情報が入ってくることもありません。
毎日が同じ、という感じです。
外に出て働いていたころは、自分の興味外のことが自然に耳や目に入ってきて、良い刺激になっていたのだなぁと感じました。
私の場合、新しい出会いや知らなかったことを知る喜びが、人生を豊かにしているのだと気づいたのです。
在宅翻訳は貧困の始まり
専業翻訳者になって、貧困になる恐怖を味わいました。
割に合わない
初心者のころは特にそうですが、割に合わない日々が続きます。
在宅翻訳の報酬についてはこちらで紹介しています。
がんばって1日に1500ワードを訳したとして、報酬は10000円程度(単価 7円 / ワード の場合)。
初心者のうちはこれに10時間、またはそれ以上時間がかかることもあり、時給にすると1000円以下。
毎日仕事が入ってくるわけではないので、例えば月収にすると
週3日 x 10000円 x 4週 = 120000円
というのが実情です(いいほうです)。
修正作業は無料で対応
翻訳の仕事は、納品したら終了ではありません。
校正者がレビューを行い、フィードバックがある場合があります。
翻訳者は誤訳、表記の修正などの、修正対応を依頼されます。
修正作業は翻訳者のミスを直すものなので、報酬はゼロ。
以前、ある単語の表記を統一し直すという作業が発生し、数時間という時間をとられたことがありました。単価で働いている在宅翻訳者にとっては泣きたくなるような作業です。
(番外編)支払いを考えて手が震える
専業翻訳者になってからは、毎月決まった収入を得ていたころとは違い、出費額に敏感になりました。
あるとき友人と会い、そのランチ代が1500円。
「この1500円は、昨日のあの翻訳作業で発生した報酬で賄えるな…」と、リアルに考えるように。
「稼ぐ → 使う」が把握しやすいというか、目に見えてしまい、「稼ぐ < 使う」になってくると恐怖で手が震え出しました(笑)
在宅翻訳は休みづらい
在宅翻訳者は、ハッキリいって休めません。
時差は関係なし
外国の翻訳会社と取引している場合、先方の稼働時間内は連絡が入ってきます。
日本が夜~夜中でも、仕事の依頼や修正対応のメールが届きます。
単価の高い仕事を逃したくないなんて思ってしまったら、寝る間際まで気が抜けません。
納期が早い
私の経験上ですが、数百ワード~2000ワード程度の仕事の納期は、だいたい1日~2日です。
例えば、夜9時ごろに海外の翻訳会社から打診があって受けた仕事の納期が、翌日の夕方6時といった具合です。
すでに、翌日ほかの翻訳作業もあったり、専門外の分野の翻訳だったりすると、こなせるだろうかと不安で寝つきが悪くなることも。
遊びのスケジュールが立てにくい
こんな感じでいつ仕事の打診があるかもしれないので、事前に遊びの予定を立てにくくなります。
仕事を断る覚悟で予定を入れなければなりません。
駆け出しのころは仕方ないのでしょうが、旅行が大好きな私は、旅行の計画が立てづらいことが嫌になってきました。(といっても、稼ぎもないので旅行に行けないのですが)
まとめ
在宅翻訳を専業で1年ほどやってみて、自分には続けられないと思った点をおさらいすると、
- 孤独である
- 貧困になる
- 休みづらい
の3つです。
収入は経験を積めば増えるかもしれませんが、孤独と休みづらいのはそんなに変わらないと思います。
在宅翻訳者を目指すひとは、これらの点に耐えられるかどうか考えてみてください。